大学の世界展開力強化事業(キャンパス・アジア)

SUAE

プログラムの紹介

 急激な成長都市を抱えるアジア諸国では、資源・エネルギー需要の増大、都市温暖化、大気汚染など都市・建築環境の悪化が国境を跨ぐ国際的な問題となっている。そこで、都市・建築分野では、地球環境に配慮した循環型社会や環境負荷の少ない低炭素社会の構築など、国際的な環境問題を解決するために、グローバルな視点に立脚した高度専門教育の推進が喫緊の課題である。一方で、歴史・文化に基づく地域社会固有の問題もあるため、国際基準に準拠したローカルな実践的教育が要求される。特に、多様な歴史・文化・伝統が複雑に混在し、都市・建築に係る深刻な環境問題を抱えるアジアにおいて発展的持続化を図るには、都市・建築の全体を周辺領域まで俯瞰し、生活環境の実態や社会的・文化的背景の理解に基づいて個々の技術や政策を総合化し、環境施策を実践する人材育成が必要である。そのためには、現地で課題を把握・考察し、解決策を導き出し、実践して学ばせること(実践学知の経験)が極めて有効となる。つまり、国境を越えた学びの場を提供し、アジア都市・建築の多様性を共有しながら、教育の質を保証した教育プログラムを国際的に広く普及させることが重要になる。


 本事業は、相互に協定を締結している九州大学(日本)、同済大学(中国)、そして釜山大学(韓国)の3大学がコンソーシアムを形成し、
①協働教育プログラムの実施、
②共通の授業科目・時間数に則った都市・建築環境教育の国際標準モデルおよび統一的なプログラム修了認証・共同学位授与プロセスの構築、
③国際標準モデルの評価・改善・管理を支援する3大学共用の教育管理WEBシステムの構築と活用、
④国際標準モデルの普及を目的としたポータルサイトの開設と国際広報、
⑤教育の質を保証する都市・建築環境教育に係る認証システムの開発に取組む。
これにより、国際的かつ競争的な学生間交流の中で、都市・建築の多様な持続化プロセスを実践的な知の蓄積によって修得させる環境教育の国際体系を確立する。